EAにできない分析はないと思いの方は多いようですが、実際にはできない(苦手)とするものがいくつかあります。
今回はその内、チャートパターンによる分析が苦手だという点に絞りなぜ苦手なのかその理由などをお伝えできればと思います。
その点を理解することで裁量トレードに対する評価や見方変わると同時に、強みの再確認ににもなると思いますので是非ご覧いただければと思います。
結論を先にお伝えしておきますと、チャートパターン分析の多くが抽象度の高いものであるからという点、そしてそれを人がプログラムで表現することが難しいからです。
☑本記事中心の議題
それでは本編をどうぞ↓
抽象度が高い=感覚的
通常人がこれはチャートを見てダブルトップだなとか、判断するときに使用するものは多くの要素が感覚的なものであり、論理的に導き出したものではない場合が多いです。
お、ととろ登場だ….などと変換できているのは高い抽象度に存在する概念だからに他なりません。
そしてトレーダーが同じ脳の構造をした人間であり、同じ共通の感覚を保有しているからこそ機能するのです。
ですがその感覚的な部分を言葉にしてくれ、と言われても難しいのはご理解頂けるかと思います。
無理に言葉にして説明しようとすれば↓
何本前の足の高値と今の高値がほぼ同じ位置にあり、その間の足の数は・・・で…..
とできなくはないですが、実際は人によって片耳が3pips低かったらそれはもう別物だと判断することもあったりとまちまちです。
その上判断基準がその時々で微妙に変化することもあり、もう迷宮でしかありません…..
明確な基準がなければ、どこまでもきっちりしていないといけないプログラミングでは再現することはできてもかなり不完全なものになってしまいます。
機械からすれば、どうして前のパターンは足と足の間が19.9pipsだったのに今回は33pipsでもととろ(ダブルトップ)と判断するの??
となってしまいます。
人間特有の応用力・柔軟性は感覚を利用した抽象空間から導き出される場合が多いです。
そして、チャートパターン分析にはその特性がピシッと合致するのです。
そういう理由から、テクニカル分析の中でも感覚という要素を多く使用するチャートパターン分析に関しては人にしかできないということができます。
それに近いことができてもあくまで真似でしかありませんので、再現性・汎用性が低く実用性はどうしても低くなります。
機械に感覚をそのまま移植するには….
もし人間が感覚というものを100%理解し、言葉で精確に表現できるのであれば可能かもしれません。
しかし、不可解なことに人間は自分の特性でありながらそれを言葉で完全に伝えることが何故かできません。
ということで、移植以前に正しく利用可能な移植物を用意できない人間はそれを機械に組み込むすべを持ちません。
ディープラーニングも所詮は再現にしかすぎずそのものでは決してなく、今後いくら技術が進歩しても人間が自分の感覚を正しく吐き出せるようにならない以上不可能であります。
感覚を利用したトレードこそ裁量の強み
言葉で記述できるようなロジックで固めた手法は、ほぼ1oo%EAで表現できます。
ですから、淡々と少しの誤差もなく同じトレードを繰り返すというトレードならEAに軍配が上がる可能性が高いですが、
チャートパターン分析のような抽象的で感覚を利用したトレードを行うのであれば、間違いなく裁量の方が優位です。
今現在トレードスタイルを構築する中でEAにするか裁量にするか迷っているのであれば、この辺りを軸に考えて貰えば良い答えに辿りつけるかもしれません。
まとめ
まとめますと、主には以下の理由からEAではチャートパターン分析が難しいということになります。
・そもそも人間が感覚を言語という形でアウトプットできない
・仮にできたとしても抽象的過ぎてプログラミング不可能
・再現できたとしても人間の、気まぐれや感覚の差異までは再現できない
不確実性の高いものは論理で追及しがちなトレードの世界では嫌われがちではありますが、そもそも不規則な動きが前提なのですから、
感覚を利用した抽象度の高いトレードも、きっちりとした優位性が確認できているのであえば活用しても良いと、最近自分は考えるようになりました。
いつの日か完璧にチャートパターン分析ができるEAを創ってみたいと夢見る今日この頃であります…..
本記事は以上です。参考になれば書いた甲斐があります<(_ _)>
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