よく副業でFXを始める人がいるが、この業界に長くいる自分に言わせると正直副業でFXをするのは様々なリスクがあり、途中で挫折する可能性が高いので手放しにおすすめはできない。
理由はいろいろとあるが自身の経験上から挫折し易い落とし穴について語りたいと思う。
まず、ダブルワークを経験した人なら分かると思うが、2つの全く別の類の職を両立させるというのは簡単なことではない。
丁度、文武両道が難しいのと同様で人は同じ時間軸で複数のことに集中するという行為(マルチフォーカス的)がめっぽう苦手なのだ。
その上、投資(FX)というのは他の業種に比べて比にならない集中力と忍耐力を消費する。
つまり、FXは他のことと同時進行で行って上手くことを運ぶことは極めて難しいということだ。
自分も一時期、週5日社員として仕事をしつつトレードを行っていたことがあるが、正直言ってどちらもガタガタになってしまう程に精神的・肉体的に疲労してしまっていた。
これでは同時進行によるメリットはなく、デメリットだけを教授してしまうことになる。
これが一番と言って良いほど重要なポイント。
人は脳の構造的に集中を分散できず、同時に進行しようとすると結局どちらもダメになってしまうリスクを伴う。
しかし、多くの人は始めていきなり専業になるなどということは到底できるはずもない。
ではどうすればいいのか?
答えはいくつかあるが、つまるところ集中を一点に向けられるまとまった時間を確保することが最低条件だ。
仕事は辞める必要はないが、仕事とFXを同じ日(時間)にすべきではないということだ。
土日が休みであるなら週3日勤務に変更し、まるまる休みの日にその日でポジションを閉じられるデイトレード以下でトレードする。
またはある程度貯金があるなら仕事を休業し、その期間に集中的にトレードを行いつつ経験と実力を培うというのもありだと思う。
重要なのはポジションがある状態で本業の仕事をするようなことにならないこと。
これを守らないと大変なことになる。
逆にこの条件をクリアしていれば副業でFXすることは悪いことではないと考えている。
確かに大きな時間軸では同時進行にはなってしまうが、生活に必要な糧を稼ぎつつ他のスキルを身に着けるとなるとそこはデメリットを引き受けなければならない。
寧ろ、いきなり専業になって確実に生活費用を稼ぎだすことができる可能性は極めて低いからそうして当然だと言える。
EAで運用するというのも一つの解決策だと考えるかもしれないが、たとえ自動で売買するにしてもポジションを持ったまま別の仕事をするというのは
裁量と同じく精神に負担を与えてしまうことになる。
ある程度経験を積んだトレーダーなら精神のコントロールに対する心得があることもあるが最初の内はEAであっても、自分のポジションを放置したまま他のことをするのはおすすめしない。
2つ目は資金についてだが、必ずトレード資金は余剰資産で行うこと。
最低でも3カ月分の生活資金を残し、残りの余剰分を証拠金としてトレードすることが精神面での衛生上一つのラインとなる。
目の前の一つの負で来週の生活費が無くなるというような極限の状況でトレードすると、必ずよろしくない状況に陥る。
トレードにおいてルール外の行為は資産を破滅させる最上位の要因となる訳だが、極限の状況において人は自分の意志とは別に短絡的かつ不合理な行為を何の躊躇もなくしてしまうのだから本当に恐ろしい。
副業では資金の調達口が複数になる訳だが、必ずFXにおける収益は当てにせず最初は全てなくなるものだと考え、しっかりと線引きを行い厳正に資金管理する必要がある。
最後にモチベーションの維持だ。
副業でFXを始めるということはほぼ確実にお金の為という要因が大きいはずだが、それがモチベーションを大きく低下させる原因になってしまう。
なぜなら、最初は低ロットから始めるためいくら勝とうと大きく稼ぐことはできないからだ。
そうなると必然本業と比べてしまい、これならするメリットは小さいと内心合点して続ける動機が薄弱になってしまう。
もちろん大きなロットですれば一度のトレードで大きく勝つこともあるが、いきなりそんな大きなロットでするのはそれこそギャンブルになりかねない。
FXも他の業種・スポーツ同様そこそこのレベルになるまでに年月を要する。
しっかりと腰を据えて、場合によっては5・6年費やしても良いと思えるくらいでなければ上達する前に理想とのギャップに苦しみ、辞めてしまうことになる可能性が高い。
今回の独り言は以上。